今回の『桜』は前期の『手紙』よりはシリアス度は低めに感じる。というよりも、『手紙』の方がバラバラになる感じが強かったせいで今回はまだ誰も実家を出ていない所で少しの安心感。確かにそれぞれバイトや仕事を始めているけど、6つ子の仲が悪い描写が無いだけ救われた気がする。それでも少しのすれ違いと不満が溜まってしまったのはおそ松で、その心情の変化が桜の花の移ろいとリンクされてるのがまたキレイな描写。それでは今回も最後まで読んでいって下さい♪
【桜】ネタバレ
13:38に起床するおそ松達は松代に怒られながらも朝食兼昼ご飯を食べる。ソーセージを多めに食べた十四松のせいで他兄弟は言い争い、洗面所の争奪戦で殴り合い、食べ終わっても食器は片付けせず、パジャマもそのまま脱ぎっぱなしで釣り堀に向かう6つ子達。いつもの釣り堀でノンビリたわいもない話をしながら釣りをしているとトド松の携帯に松代から電話が来る。
病院に着いた6つ子達が見たのは病室のベットで点滴を受け寝ている松造の姿。『ど、どういう事、何があったんだよ、ねぇ!?』『ちょっと落ち着いて』『と、父さん!!』『こら、寝てるからっ』『父さん!!』『やめなさい、ちょっと』焦るチョロ松と一松とトド松をなだめる松代。日が沈み外も月の光が輝きだした頃、松代が再度病室に戻ると松造のベットの横、床で体育座りをして落ち込むおそ松達の姿が。『ほら、もう帰りなさい。大丈夫だから、先生も直ぐよくなるって言ってる、それに家からタオルとか着替えとか持って来て欲しいのよ。ね、お願いだから』と松代はおそ松の腕に手を置きながら優しく諭すように語り掛ける。『分かった、おい、行くよ』おそ松を見上げゆっくり腰を上げて病室から出ていく兄弟、トド松だけはまだうずくまっている。『トド松』おそ松に声を掛けられると小さく返事をする。暗い道は街頭に照らされ無言で帰路につくおそ松達。夜が明け病室にはリンゴの皮を剥く松代と目が覚めて随分顔色が良くなった松造。『んーっ!随分休んじゃったな、そろそろ頃合いだろ。母さん、ちょっと真面目な話があるんだが』『どうしたんですか、急に』『一本だけで良いんだ、ビールを買って来てくれないか』『駄目です』『あー…ダメだった。』
一方、河川敷で寝ころぶ6つ子達。『あ~びっくりしたぁ』『びっくりしたね』『焦ったわ』『焦ったな』『でも本当に無事で良かったよね』頷く一同。『俺たちのせいだよな、うちの家ってずっと父さん一人に頼りきりだもん。そりゃいつかこういう事も起きるよ。6人も居るって言うのに情けないっていうか』『どうしよっかなぁ、これから。いよいよちゃんとしなきゃいけないのかな?』突然のおそ松の言葉に動揺を隠せないカラ松、チョロ松、一松。『んっ!?』『だから、俺達ずっとダラダラダラダラ適当に過ごしてきただろ?そろそろやんなきゃいけないのかと思ってさ、そのー…しゅ、就職とか?あと、自立とか何かそういうような事。』『うわ、言っちゃったよ』『最悪ー…まさか本当に口に出して言うとはね』『あーぁこれでもう目を背けられなくなっちゃった』『向き合わなきゃいけなくなっちゃった』『ジーザス』何故か執拗に責められ焦るおそ松。ため息を吐く下5人の弟達。『えーっ!!何で俺が悪いみたいになってんの!?どっちかって言うと今良い事言ったよ!?』『どしたの急に、いきなり皆を引っ張る良きお兄ちゃんみたいな感じ出されてもこっちは全然ピンと来ないんだけど?』『むしろ引くよね』『気持ち悪い』『すんごい言われよう』『ちょっと良いか?』話を遮る様に手を上げるカラ松。『流れを止めるようで悪いが、就職とか自立とかぶっちゃけすっげぇ面倒くさいな?』『めんどくさーい‼超イヤー!』『本当は逃げたーい!!』『分かるけどさぁ~』『てか、そういう事を出来る自信が無いよね』『あぁ、不安しかない』『大丈夫だよ!!んなの、ちゃっちゃちゃーだよ!ちゃっちゃちゃーのすぱっぱぱーで楽勝だから!!ちゃっちゃちゃーのすぱっぱぱーっつって』『何言ってんだお前』『就職⁈自立⁈んなのちゃっちゃちゃーのすぱっぱぱー』『もういいわ!!どっから来るんだよ、その自信は!』ケラケラ一人楽しそうに笑うおそ松とは反対に何かを考えている様なカラ松。
『でも、もうやるしかないんだよな。』『しょうがないんだよ』『ちゃんとしないとね』『うん』『よっし、じゃそろそろ行く?』どこか余裕ありげな笑顔で兄弟を見つめるおそ松に、弟達も自然と笑みが溢れる。『行くか―っ!!』『よぉし、良いだろう!!今日から生まれ変わろうぜ!俺たちの本気を!覚醒した姿を!とくと見せてやろうぜブラザーッ!!!!!』さっさとカラ松を置いて歩きだす5人、『あ、こういうのは要らないのね?』『いらない、いらなーい』夜になり病院から一人家に帰る松代。
家に着くと玄関で待っていたのは、お茶を持った一松、肩たたき券を持った十四松、掃除をしていたのであろうトド松とおそ松が出迎える。カラ松とチョロ松は夕飯係だが出来上がった物は全て真っ黒の失敗作なのに、胸を張っている二人に松代は可笑しそうに笑う。夕飯後の食器洗いをするおそ松を手伝おうとするも断られ、洗濯ものを畳む十四松を手伝おうとするも断られ、一松とトド松は布団を松代の隣に敷き、全力で松代のサポートをするおそ松達。病室で本を読んでいる松造の元に、チョロ松と十四松とトド松がお見舞いに行くも、その手にはビールが。悪戯っぽく笑う4人。買い物に出ているおそ松はバイト募集の張り紙を見付け、カラ松は自分たちの部屋の棚を水拭きをしていると『資格の取り方』の本を見つけたが電話が鳴ったので急いで一階に降りると本が棚から落ちた所に、一松が掃除機をかけながらその落ちた本を見付ける。病室を後にしたチョロ松と十四松はトド松と途中で別れ、トド松はどこかに電話を入れる。チョロ松も十四松と別れたのかハローワークへ赴き、十四松は公園で子供を見つめ何か意を決した様に微笑む。皆それぞれ自分のやるべき事をこなしていった。松造が退院してTVを見ながら晩酌をし、おそ松は一人で夕飯を食べ終えた所に十四松がぐったりとバイトから帰ってくる。
おそ松は風呂に行くか聞くも十四松に断られ一人で銭湯へ。一松はチビ太のおでん屋でバイトをし、カラ松はバンド仲間と飲みに来ていたがやはりカラ松の性格はイタイままで『どこ行っても同じ扱い』と一松は可笑しそうに、嬉しそうに笑みを溢す。トド松はどこかに就職したのか先輩に連れられオールで呑み明かす。疲れ切った十四松は着替えもせず一人で布団で爆睡。一人で銭湯に居たおそ松の元に来たのはチョロ松。『聞いた?父さんの事。数値下がったんだって』『ふーん、良かった。』どことなく素直になれないおそ松の背中を思いっ切り叩いて笑うチョロ松。キッチンのテーブルに賃貸物件雑誌があるのに気付いた松代に歩み寄る松造は、優しく微笑みながら子供達の変化を松代と実感する。中華料理屋でバイトを始めたおそ松は裏口からゴミを捨てに外に出る。するとそこには桜の花びらが二枚落ちている。それを見ながら微笑むおそ松はまたバイトに戻る。
コンビニでビールを買い夕方の河原で支給された給料を確認し喜んでいるおそ松はイヤミを見付ける。これから宝さがしに行くというイヤミに誘われるおそ松だったが、それを断るとイヤミはつまらなさそうにしハタ坊やダヨーン、デカパンと楽しそうに何処かに行ってしまう。家に帰ったおそ松は『ただいま』というも誰からも返事が無く、全ての部屋を確認するとやっとソファで寝ている一松を見付ける。『どうしたの?』『他の奴らは?』『あぁ…?』『トド松は?どこに居るの?』『えぇ、や、知らないけど』『十四松は?チョロ松は?カラ松は?』『はぁ…?知らないよ?おそ松兄さん??』部屋を後にするおそ松を不思議そうに見つめる一松。夕方の道を何となく歩くおそ松は兄弟が普段居る場所を見て回る。
駅前なのか、人通りの多いベンチに座るおそ松。その後ろには大きな桜の木がある。何をするわけでもなく時間が過ぎる、街灯が付き空も暗くなり始めたら突然の雨。おそ松はそれでもベンチから動こうとせず、雨に打ちひしがれていると『おそ松くん??』と傘を差したトト子が横に立っていた。『父さんが倒れた時すげぇ怖かった。死んじゃったらどうしよう、俺達どうなっちゃうんだろう、母さんはどうするんだろうって。だから考えたんだ、一生懸命。でも良いのかなぁこれで。分かんないんだよ、俺。分かんない。俺ちゃんとしたのかなー…つか、ちゃんとするって何だよ。知らねぇよそんなの。寂しい気持ちもあるんだよね。なんか、皆バラバラになっちゃってさ、色んな事が前みたいにいかないって言うか。でも、しょうがないからな。しょうがない?しょうがないのか?本当に??俺、かっこいいかな?大丈夫?まだちゃんとおそ松でいれてる?』
『おそ松くんがカッコ良かったことなんてないよ』『そっか、そうだよねぇ』可笑しそうにくすくす笑う二人。『父さんがあぁなっちゃってさぁ、皆頑張ったんだよ、良い事だよ、それは分かってる。でもさ、俺どっかで関係ないと思ってんだよね。関係なくない?父さんが倒れた事と俺達の事って。多分、そこがモヤモヤしてんだよ。俺自分の事は自分で決めたい。でも、何か、全然決められないんだよ最近。あいつらはどう思ってんのかな。』『自分で決めたら?おそ松くん今自分でそう言ってたよ、自分の事は自分で決めたいって』それを聞くと何かに気付かされた様なおそ松は桜の花が散るのを見つめながらゆっくり腰を上げる。『帰ろっか!何かごめんね、つまんない話しちゃってさっ!』『うんっ!すっごくつまらなかった!』『えぇっ!?』楽しそうに笑うトト子に釣られて笑うおそ松。『トト子ちゃん、ありがとう』『いいえっ♪』
夜が明け朝になるとおそ松は鍋の底をオタマでガンガン叩きながら『はーい、集合ー!!集合―!!』と廊下を歩く。襖が勢いよく開き『うるせぇなぁぁ!!!』『何考えてんの!?』『朝っぱらから!』『殺すぞ!!』『コロスぞぉ!!』『あははー、いやぁそんなに大したことじゃないんだけどさ、お前らにちょっと言っときたい事があるんだよ』
画像引用元:おそ松さん公式
桜の移ろいと6つ子の心境
桜のつぼみ
- 暖かくなり始めそろそろ桜も咲く頃。もし暇だったら花見に行きたい
- 松造が倒れそのショックにこの時はまだ6つ子は頭の中の整理が出来ておらず、気持ちが塞ぎがち
- おそ松の一言で就職と自立を意識し始める
- 自信が無い、不安しかない
- おそ松は自信があった?
- やるしかない、しょうがない、ちゃんとしないととそれぞれ心を決める
- まずは家事を手伝う
考察
松造が倒れた事でこの現実から目を背けずに『自立・就職』の言葉を発したのはおそ松。第1期24話の『手紙』では一番にその変化を受け入れる事が出来ていなかったおそ松が、今回は自らソレを口にした。その現実から目を背けて居たかった下5人は不満を口にするが、おそ松が口にしたことで仕方ないと受け入れる事が出来た。本当は不安と自信が無いけど、おそ松がそう言うなら頑張ろうと。そう気持ちを切り替えて現実に向き合うのならば、と今回は汲んだ兄弟達。きっと全員が一番心配しているのはおそ松に対してなのではないだろうか。違和感でしかないのが、おそ松が変に自信を持っていた感じがする所。松造が倒れた時に皆が心に負った不安感を払拭しようとおそ松が先手を打って来てくれたのか。『お兄ちゃんだから』兄弟を引っ張って行かないといけない、とか一人で背負ったかの様でもある。まずは家の手伝いから始めていくのも、リハビリ感覚で各々やっていっているように感じる。この時はまだ、桜のつぼみの様に花を咲かせる前の準備期間の様な状態。
画像引用元:おそ松さん公式
七分咲き
- お見舞いや家事を継続
- その間にもそれぞれが就職や自立に向き合い始める
- 一人で考える時間も各々増えていく
- 少しずつ兄弟間の関わりも減っている
考察
着替えを松造に届けつつも、ビールの差し入れをして悪い顔で笑うチョロ松・十四松・トド松。この時はまだそれぞれが一緒に行動して賑やかな日常を送りつつも、一人で居る時間は仕事探しをしたり次のステージへと着々と進んでいっている状態。トド松は誰かに電話していたがきっと仕事を紹介して貰っていたのだろう。チョロ松はいつもなら自意識ライジングで受けていたハロワの説明会を今回はそういうのを一切無しで受けている様にも見える。公園で十四松は『栄太郎』を見付け、彼ですらしっかりと友達を作れるようになっていたのを目の当たりにし、それが十四松の自信に変わる。一松も資格の取り方の本に目を通し、おそ松も中華料理屋のバイトの求人をメモしている。カラ松は玄関で何かを考えている。正直この時はカラ松が何をしていたのかは分からない。空っぽカラ松と言われていた幼少期と今もそれほど変わっていないだろうが、彼なりに現実と向き合っているのを感じる。またおそ松の心が落ち込むのではないか、チョロ松が頑張り過ぎていないか、一松がまた途方に暮れるのではないか、十四松がまた怪我をするのではないか、トド松が一人でやって行けるのか…カラ松は心配が絶えないのかもしれない。今はまだ七分咲きの桜の様に、少しずつ花開く時。
画像引用元:おそ松さん公式
満開
- バイトや仕事に明け暮れる
- 兄弟のすれ違いを感じ始めるおそ松
- 背中をバンバン叩くチョロ松、暗いおそ松を励ますかの様
- 松造の検査結果も良好
- 息子たちの変わっていく姿に少しの寂しさと嬉しさを感じる松造と松代
- 桜の花びらで『花見』を思い出すおそ松
考察
桜の花が満開になった頃、それぞれが『外』での居場所を作り始めた。おそ松・一松・十四松・トド松は仕事(バイト)を始めている。カラ松とチョロ松は仕事の描写は無い。カラ松はバンド仲間とチビ太の所に呑みに来ているが仕事なのか何なのかは分からず。第1期24話で仕事をしてなかったおそ松・一松・トド松が今回は仕事をしているという変化が目立つ。今までは6人一緒に行動していた分、誰が誰だか分からない状態だったけれど、今回はバラバラに自立し仕事を始めた事によりその6つ子としての個性が職場では目立たなくなった。『~松』と呼ばれる事も無くなり『松野』と呼ばれる回数が増えた事により6つ子特有のアイデンティティが少しずつ崩れてきてもいる。桜の花が満開なのはきっとそういう事。社会に出ればあまた多数の人と変わらないという事の比喩。社会とは揉まれるし埋もれる。それに疑問を持ち始めるのもまたおそ松。自立・就職の言い出しっぺがその変化をやっぱり受け入れられなくなり始める。
画像引用元:おそ松さん公式
散る桜・葉桜
- イヤミ達が宝探しで盛り上がってるのを見て違和感を感じ始めるおそ松
- 家に帰っても一松以外誰も居ない不安感
- 兄弟が何をしてるのか把握してない事に対する恐怖感
- 兄弟がバラバラになっているのを受け入れられない
- トト子に弱音を吐き心のモヤが取れるおそ松
考察
桜の花が散り始めた頃、おそ松の中でも心の余裕がなくなり始める。バラバラになってしまったと強く感じ始めているのは、誰がどこで何をしているのか分からない不安だったり、家に帰っても空っぽなその空間に対する恐怖、いつでも出来ると思っていた花見すら出来ていない。イヤミがデカパンやダヨーン、ハタ坊と馬鹿やって楽しそうにしているのを目の当たりにした事で、本来なら自分たちがそっち側に居たのにと強く感じてしまう。ちゃんと自立や就職をしたのに心の中にぽっかりと空いたこの穴が何なのか、当たり前の事をしただけなのにこんなにも兄弟がバラけてしまうという現実に虚無感しか感じていない。本当は兄弟と賑やかに楽しく日常を一緒に過ごしたいだけなのに、それぞれが何かを始めただけでここまでバラバラになってしまう現実に納得いかない。トト子は静かに話しを聞くだけ聞いて『つまらなかった』と言えるのは、おそ松に対しての信頼からくるものかなと感じた。普通落ち込んでる相手にそんな辛辣な事言えない。『おそ松くんなら大丈夫だよ』と口調から感じ取れたのは、トト子の精一杯の優しさなのかもしれない。
画像引用元:おそ松さん公式
トト子とおそ松
第1期24話『手紙』において屋根の上で夕方までボーっとしていたおそ松に『デートしない?』と声を掛けたトト子だったが、完全に塞ぎ込んでいたおそ松はトト子をシカトしている。だが、今回はトト子に思いの丈を全て吐き出す。
駅前の桜の木の下のベンチで思っていたのと違う現実に虚無感を感じているおそ松。ここに来るまでの道も自然と兄弟たちが当たり前の様に毎日居た場所を通り、そこに兄弟の誰かしらが居たら良いなという気持ちが垣間見えるのもまた、余計に孤独さを感じさせる描写である。その心境を表すかのように、突然降りしきる雨はおそ松の心を表しているのはすぐに理解できる。下手したら、第1期24話よりも心に深い傷を負った可能性さえある。何故なら、『自立と就職』を自らの口から発してしまった手前、自分の不安定な気持ちを兄弟たちに伝えることは一切出来ない。チョロ松の就職を祝えず怒りに任せて兄弟に当たり散らしていたあの時とは状況が全然違う。
駅前に自然と来たのも人で賑わっている、家族、友達、恋人と皆一緒に居るけど、自分の隣には今は誰も居ない。皆どこで何をしているのかも分からない。一気に独りぼっちの感覚に陥る。桜の花が散る様に、おそ松の心の中も現実も散りに散って終わってしまいそうだった。そこに現れたのがトト子。包み隠さず全てが本音で、1つもカッコいい所を出そうともしないおそ松のその姿勢が、トト子にも伝わっていたのだろう。トト子はおそ松が話してる間、徹底して聞く側に回っていたのがおそ松が話しやすい環境に自然と持って行ってたと感じる。人は誰かに心境を吐露することで、自然と心の中のわだかまりを緩和し整理し、自分でも気が付かぬうちに答えを導き出す。彼の目に映る夜空に舞う花びらが、『花見』すら出来ない現状に終止符を打ってくれたのか。花が咲き終わればその後は実を成す。おそ松とトト子は上手くバランスの取れた関係なのだろう、さくらんぼみたいで可愛く思える二人の描写。
画像引用元:おそ松さん公式
まとめ
松造が倒れて病室に入った時におそ松とカラ松だけは他の下4人とは違って、険しい表情をしていた。長兄ツートップとしての一面が垣間見れた様な気がした。やはり下4人の弟の兄というポジションを意識してなのか、不安な表情の弟達とは違う何かが心の中にあるのか。第1期24話とも似たような話だったのだが、前は仕事もせずに取りあえず家を出てしまった一松とトド松が仕事をしている。皆きちんと段階を踏んでからの就職・バイトだった。カラ松とチョロ松は『仕事』らしい事をしていない。ハロワには行っていたチョロ松だが、その先は描かれていない。カラ松に至っては第1期と違って履歴書すら書いていないのではないだろうか。バンド仲間と飲んでいるくらいだから、仕事ではなく趣味に走ったのかな。『外』に居場所を作ろう、とりあえず兄弟の輪から抜け出そうとそこから始めたのかもしれない。まずは自分が無理なく出来る事から始めるのは、何にでも当てはまるけど良い事だと思う。最初から上手くいくことなんて実際無くて、少しずつ自分のペースでやっていける事からやれば良い。桜の花がそうであるように、すぐには咲かない。ゆっくり少しずつ自分の才能を開花させていけば良い。周りの状況に左右されず、自分のしたい事、やりたい事、どうしたいかを自分で決めて綺麗な花を咲かせて行けば良いと、この卒業・進学・就職シーズンに当てはまるストーリーで背中を押してくれる、おそ松と一緒に悩める良い回だったと思う。
画像引用元:おそ松さん公式
第3期もそろそろ最終回目前となってきましたね。松クラからしたらもう不安しかないですよね、毎期訪れる最終話前のシリアス回。第3期は終わりを迎えようとしていますが、第4期第5期第6期とずっと続けてもらうには松クラの力が重要である事と思います。フ[…]
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